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なぜ、外から見て明るそうな家ほど家の中が暗いのか?
先日、現場で施主さんと打ち合わせをしていたら、
通りがかりの近所のおじいちゃんから突然
「このお家って窓が全くないようやけど、家の中って明るいんですか??」
と話しかけられたわけですが、このおじいちゃんだけに限らず、
建築家が設計した家を見た誰もがこのような疑問を抱くのではないしょうか?
こんばんは、
シンプルノート岡山北スタジオの松本です。
しかし、驚くべき事実かもしれませんが、現実はというと・・・
外から見て明るそうに見える家ほど、実は家の中が薄暗くて、
外から見て暮らそうに見える家ほど、実は家の中が明るい、という事実が存在します。
というのも、そもそも、設計の考え方自体が間違えてしまっているからです。
多くの方が、1・2階の間取りが描かれた平面図だけを見て、
あーでもない、こーでもないと、間取りや窓を変更してしまいます。
もちろん、あなたを含めて、お施主さんは素人だし、家づくりが初めての経験なので、
これがダメだということを知らないことが普通だと思いますが、
現実は、平面図だけを見てイジクってしまうと
どんどん住みにくい家になっていってしまう可能性が高くなってしまいます。
プランはあなたがお持ちになる要望と近隣環境の2つから出来上がっていくものです。
ですから、要望だけに着目してプランをつくるのではなく、
近隣環境のことも同時に考えることが、
住みやすい家にするためには必要不可欠な要素となります。
例えば、あなたが購入した土地が、南側が道路である新規分譲地だとしましょう。
この場合、出来る限りどの部屋にも日当たりを確保しようとして、
大きな窓を南につくってしまいます。ですが、その窓は近所から丸見えになるので、
とてもじゃないけどカーテンなしでは、リラックスして過ごせるような家にはなりません。
そして、その結果、カーテンを閉めっぱなしになる家が出来上がってしまい、
明るいはずなのになぜか薄暗く、朝からライトなしでは居られないような
微妙な住まいをつくってしまいます。
また、カーテンをしていれば窓が開けられないので、
風の出入り口までも完全にシャットアウトしてしまい、
こもった臭いが充満したり、なんだかジメジメした家をつくりあげてしまいます。
しかも、丸見えのところで洗濯物を干すようになってしまえば、
家族構成が丸分かりの防犯性に乏しい家になってしまうし、
せっかくキレイにつくったはずなのに、生活感丸出しのカッコ悪い家になってしまいます。
バーベキューだって、周囲から丸見えのウッドデッキじゃあ、やりにくいってもんですしね・・・
明るい家にしたい・・風通しのいい家にしたい・・居心地のいい家にしたい・・
お洒落でカッコいい家にしたい・・楽に住める家にしたい・・
いつもキレイに片付いた家にしたい・・
これは誰もが共通してお持ちになる要望だと思います。
ですが、これらを完全に実現するためには、
量産ハウスメーカーのプラン集のような
どんな土地でも使い回しが利くプランを流用するのではなく、
近隣環境との兼ね合いも考えながら、
また、その土地が持つメリットやデメリットを活かしながら、
その土地に合ったプランを考える必要があります。
決して、平面図だけをみて、あーだ、こーだ、を考えるのではなく、
もっと広い視野と立体を想像しながらプランは考えるようにしていただければと思います。
これが、本当に暮らしやすい家をつくる秘訣であり、
かつお洒落でカッコいい家をつくる秘訣ですから!