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設計の考え方と土地を見る視点

この写真の土地は、とある場所にある売り土地で、

法務局に備え付けられている寸法図によると

間口約9.25m×奥行き約16.75m 、

面積約47坪の北向きの土地なのですが、

さて、あなたがこの土地で家を建てなければいけないとしたら

どんなお家を想像するでしょうか?

 

おはようございます。

シンプルノート岡山北/倉敷スタジオの風間です。

 

というわけで今回は、

この土地にお家を建てなければいけないとしたら、

弊社ではどのような住まいを提案するのかについて

お伝えしていきたいと思います。

 

あくまで「弊社ならでは」の考え方ではありますが、

これから土地選びをする方はもちろん、

すでに土地を買ってしまった方も

参考になる内容だと思うので、

ぜひ最後までお付き合いください!

 

✔️考えられるデメリットを解決する

 

まず、家を建てる方みんなにお伝えしていることが、

「間取りは建てる方の要望だけじゃなく

環境を考慮しておかないといけない」ということです。

 

環境を無視してお家を建てると、

いざ住んでみると確実に

「あれっ?こんなはずじゃなかったのに」となってしまうからです。

 

その代表的なことが、

日当たりも良いし窓もたくさんつくったにもかかわらず

照明なしでは過ごせないという状況です。

 

この土地は北向きであり、かつ奥行きも深めであるため、

リビングを道路と反対側に配置しやすいし、採光も確保しやすいですし、

南向きの土地に比べてプライバシーも担保しやすいものの、

通過する電車やその向こうのにある教習所から見られやすいことから

単純に南に大きな窓をつくり、そこからの採光に頼り過ぎると

このような状況になりかねませんから。

 

また、今は両隣ともに平屋が建っているため、

東・西そろって採光が確保しやすいのですが、

この古さを見る限りいつ建て替えが行われてもおかしくないので、

それも考慮しておくべきです。

2階建てが建つとなると、

比較的太陽高度が低い東、西は採光に影響が出るでしょうから。

 

さらに、この土地は間口がそれほど広くないため、

居室の日当たりを優先するがあまり、

水回りを北にまとめて配置しがちになります。

これも大きな後悔を引き起こす原因となります。

 

北に水回りをまとめると、

窓や換気扇や給湯器が全て北に存在することになり、

これらが家を汚す原因となるからです。

北は直射日光が当たらない分、

ただでさえ汚れやすいのに、

それに拍車をかけてしまうわけです。

 

結果、家の正面が汚れやすく、

メンテナンス周期が早くなる可能性が高くなるというわけです。

家の正面だってカッコよく設計しにくいわけですし。

 

そんなわけで、

考えられるこういったデメリットを全て解決する方法も考えながら、

どんな家にしたいのかという要望をお聞きしていくという流れになります。

これが、土地が決定した時点で行う「ヒアリング」という作業です。

 

✔️敷地を有効に使う

 

そして、どんな土地であっても

弊社では「平屋」に出来ないかを優先して考えるようにしています。

 

この土地の場合、車を3台置きつつ駐輪場もつくれて、

かつ最大89.43㎡(約27坪)という(間口8.19m×奥行き10.92mで計算)

建築面積の平屋を建てることが出来ます。

 

仮に玄関ポーチを0.5坪(1帖)、中庭を3坪(6帖)つくるとしたら、

建築面積27坪 - (0.5坪 + 3坪) = 23.5坪ということで

延床23.5坪の平屋なら建てることが出来るというわけです。

 

では、その平屋は一体どれくらいの広さなのでしょうか?

1坪=2帖なので、23.5坪×2=47帖だとして、

どれくらいの家になるのか考えていってみましょう。

 

玄関とホールに2帖、玄関収納に1帖、LDKに16帖、

寝室に6帖、子供部屋に4.5帖ずつ、トイレに1帖、洗面に1帖、

脱衣に2帖、風呂に2帖、ウォークインクローゼットに3帖、

子供部屋に合計2帖のクローゼット、パントリーに2帖、

これで合計47帖(=23.5坪)ですが、

仮にあなたが「あれっ?これで全然いけそうじゃない?」

「っていうか、これで充分!」と感じられるのであれば、

実は、この広さの土地でも平屋を建てることが出来てしまうんですよ。

 

いかがでしたか?

たった47坪しかないのに「平屋」が建つなんて何だかビックリでしょ?

しかも「中庭付き」で!

これに加えて、敷地に無駄な余白を残さなくなる分、

外構面積も小さくなるため、外構費用だって抑えられますからね。

 

というわけで、

今回は弊社の家づくりの考え方を

具体的に土地に落とし込んでお伝えしてみました。

 

それでは、、、